がん経験者や医療関係者が中心となり、がん患者らが気楽に集える支援施設の設立プロジェクトが進んでいる。国内には患者の悩みと向き合う受け皿が少ないのが現状で、英国の施設をモデルにするという。プロジェクトの共同代表で乳がん経験者の鈴木美穂さん(31)は「患者が自分の生きる力を取り戻せる場にしたい」と話している。(日野稚子)
患者が患者のために
24歳で乳がんと診断された鈴木さんは、病と向き合う孤独に苦しんだ経験から若いがん患者が集う団体「STAND UP(スタンドアップ)!!」や、がん患者向けヨガ・書道教室「Cue(キュー)!」を立ち上げ、支援活動を行ってきた。今春、ウィーンで開かれた患者団体の国際会議に参加し、独自の取り組みを行っている英国のがん患者支援施設「マギーズ・キャンサー・ケアリング・センター(マギーズセンター)」を知った。
センターは乳がん患者のマギー・K・ジェンクスさんが闘病中、がんに直面して悩む患者や家族のための空間として発案、1996年に開設された。