実験では、振動子が耳の軟骨に触れると、外耳道内の音圧が急上昇し、非常に大きな音に聞こえて音圧増強効果があることが分かった。「耳掃除のときに綿棒でこする音が大きく聞こえるのは軟骨伝導によるものです」と細井学長。
新しい補聴器への応用は、耳だれの止まらない「耳漏」の患者や、耳の穴(外耳道)が詰まる「外耳道閉鎖症」の難聴患者など、耳の穴をふさぐタイプの補聴器を使えない人や、骨導補聴器を使っていて頭蓋骨の圧迫感に悩んでいる人などを対象にしている。
2年後の販売
ドーナツのようなリング状の振動子を試作し、臨床研究を行ったところ、外耳道の入り口をふさがない状態でも、中程度の難聴レベルまで対応できる音圧を出力することができた。また、骨伝導ではわからない音声の方向も認知できた。
耳が開放されているので閉塞(へいそく)感がなく、補聴器に慣れなかった高齢の難聴者にも受け入れやすいという。