細井学長らはさらに開発を進め、2年後の販売を目指している。
軟骨伝導の補聴器はさらに広く応用できると予想される。細井学長は「耳の軟骨に軽く接触させるだけで良好な音伝導が得られるので、外耳道に障害がある難聴者だけでなく、健聴者が音楽を聴くためのイヤホンの開発にもつながるでしょう」と話す。また、携帯電話やスマートフォンに応用すれば、騒音下でもボリューム操作なしで楽に聞こえ、「静かなところでも隣の人に音がもれない全く新しい製品ができる可能性もある」と期待している。
■出荷台数は右肩上がり
日本補聴器工業会(東京都千代田区)によると、補聴器の出荷台数はほぼ右肩上がりで増加しており、平成25年は、約53万台と過去最高になった。65歳以上の難聴者は1000万人以上と推計されており、補聴器の使用は今後も増えると予想されている。ただ、難聴は自覚しにくいこともあり、補聴器を利用しているのは、補聴器が必要とされる人の4人に1人にとどまっているとみられる。
現在、補聴器の種類は、集音マイクや増幅アンプ、イヤホンが一体化して外耳の入り口に差し込む「耳穴型」、耳にかける「耳かけ型」などさまざまなタイプがある。2年後には軟骨伝導による補聴器も加わる見込みだ。