同行者と連番のシートが取れなかったのかもしれない。券売窓口でのできごとを思い出し、席を代わろうかと申し出ると、なんと全員が初対面だそう。子どもも人なつこく、車窓にカメラを向けた私の腕につかまって窓の外を眺めたり、荷物が多いお母さんのシートより、何もない私のほうがスペースにゆとりがあるからか、ちゃっかり隣りに座っている。通りがかった車掌や乗務員も、子どもの頬をなでたり、肩を軽く叩き声をかけていく。
見知らぬ外国人である私に子どもを預けたまま、おしゃべりしに行ってしまったお母さんを待ちながら子どもと座っていると、50がらみのおじさんが満面の笑顔でしきりにタイ語で話しかけてくる。困っていると、日本語を少し話すという女性が手助けしてくれた。
「子どもさんはとてもかわいいでしょう。タイでは子どもさんが大事でしょう。子どもさんといっしょに座れて、あなたはとてもよかったでしょう、と言っています」