実はこのケース、Aさんが全て相続すると、小規模宅地の特例で税金はゼロになります。ですが相続では、当事者だけでなくそれぞれの伴侶も口を挟むケースが多く、裁判に発展することもままあります。
平成24年に起きた相続トラブルの約3割が、1千万円以下の遺産で争っているというデータもあります。しかも相続は、いったん“争族”に発展すると、それまで親しかっただけに骨肉の争いになる可能性もあります。
仲のよい兄弟姉妹を不仲にさせないためにも、遺言書はしかるべき手順を踏んでしっかりと残し、できれば、それぞれの相続者に、あらかじめ納得してもらうことをお勧めします。(経済ジャーナリスト)