加齢によってかむ力や飲み込む力、味覚・嗅覚が衰える。食べづらさに加え、体力の低下で台所に立つのが不自由になると、食事を調えることも難しくなる。市販の総菜を買ってきて、数日に分けて食べ続けたり、ご飯とみそ汁、漬物だけの食事が続いたり。「量が少ない」「主菜がない」食事になりがちで、低栄養に陥りやすいのだ。
このため、高齢者の2~3割が低栄養傾向にあるといわれる。低栄養は筋肉や骨密度の減少、さらには脳機能の低下を早めてしまうという。
「体や筋肉を作るタンパク質をしっかり取ることが大事なのに、中年期の生活習慣病予防の意識を引きずり、コレステロールを気にして肉と卵を食べない人も少なくない」
高齢者は食生活に問題を抱えていても、自覚をしていない場合が多く、離れて暮らす子供には「ちゃんと食べているよ」などと説明する。
このため、どのようなものを食べているのか把握することから高齢者の食事のサポートは始まる。