やがて、少しずつ電子部品の受注が増え、はんだ付け要員を1人雇うことにした。素人にはんだ付けの技術を教える必要に迫られ、中学校の「技術」の教科書を引っ張り出してみたが、お粗末な記述で温度に関する言及などもなくとても使えない。書店や図書館、インターネット上で探してみても、適当な教材は見つからなかった。
「それなら、自分で作ってやろう」
はんだ付けに関し、もともとそれなりの心得はあったが、これを機に徹底的に突き詰めた。そしてその年末、はんだ付けの手順を詳しく解説し、画像を付けてネット上で公開。すると、連日、企業や個人から問い合わせが殺到した。
「ステンレスにはんだ付けしたい」「どんな道具をそろえればいいのですか」。世の中には、はんだ付けの知識を得る手段がなく、困っている人たちが多かったのだと実感した。