東京都多摩地区で建築中の一戸建て住宅【拡大】
核家族化の進展で子どもは空き家を引き継がなくなった。戦後に建てられた住宅は質が低いため、中古住宅としての価値が評価されず、売却や賃貸化が難しい。実際、高度成長期に郊外に建てられたサラリーマンのマイホームは立地条件の不便なところから、次々に空き家になっている。
国交省は2006年に住生活基本法を制定し、それまで策定していた住宅建設5カ年計画の数値目標を廃止、新築住宅の質の確保や中古の利活用を打ち出した。同省の担当者は「耐震性の強化や省エネ機能の向上など住宅政策はすでに量から質へと舵が切られている」と強調する。その割に中古住宅の質を上げていく取り組みが足りないのではないか。