『ポホヨラの調べ指揮者がいざなう北欧音楽の森』新田ユリ著(五月書房・2000円+税)【拡大】
まさに「ムーミン」に登場する、孤独を愛する旅人スナフキンそのものだ。いま、日本人はツイッターやLINEで常に誰かとつながっている。だが実は、そんな日常に疲れており、そろそろ「ひとり」になりたいのではないか。だから、北欧のシンプルさに惹(ひ)かれるのではないか。
巻末には、北欧の作曲家「200人」(!)のガイドが付いている。圧巻というしかない。どうやら私たちは、たくさんの宝物を知らずにいるらしい。
なお本書は、本文書体や組み版デザインがたいへん美しい。どこか北欧の清涼感を思わせる。紙の手触りやインクの匂いさえも「ポホヨラ」から届いたかのような錯覚を覚えた。(五月書房・2000円+税)
評・富樫鉄火(音楽ライター)