『葬送の仕事師たち』井上理津子著(新潮社・1400円+税)【拡大】
時には変形したり、腐敗したりした遺体に向き合わないといけない場合もある。差別的な視線を受けることもある。しかし、社会に欠くべからざる仕事で、死者との別れというきわめて大切な儀式を成り立たせている。
葬儀業界の市場は右肩上がりの1兆6千億円という。団塊世代が80代になる超多死社会も、すぐそこに迫っている。それを支えているのが、これらの人々だ。
日常的に死と接しているためか、人間通、人生通の人が少なくないようだ。さまざまな経験が、甘いも酸いもわきまえた彼らの心を培っているのだろうか。自分の時も、こういう人たちに送ってもらいたいと思う仕事師たちにたくさん出会えた本だった。(新潮社・1400円+税)
評・重里徹也(聖徳大教授・文芸評論家)