高本さんは「受け取る段階になって受給額の予定が狂うと大変なので、事前に年金事務所に相談することをお勧めします。夫の委任状を持参すれば計算してもらえるし、ご夫婦で相談に行くお宅も多いですよ」と話す。
ケース2のCのように、遺族厚生年金を受け取らない選択肢も。自分の厚生年金を受けた方が有利な場合で、妻の厚生年金が一定程度多いと、こういうことが生じる。
夫婦の厚生年金額が同じだと、計算方法がBでもCでも受給額は同じになる。ただ、遺族厚生年金を含む年金を選んだ方が、税や社会保険料が低くなる可能性が高い。遺族厚生年金は非課税だからだ。税や社会保険料も考えつつ慎重に選びたい。
注意したいのは、厚生年金の額が似通った夫婦では、夫に死に別れると、世帯の年金収入が半減に近い減り方をすること。世帯の人数が2人から1人になっても、家計の支出は半減はしないので、特に所得の低い夫婦ではダメージが大きい。
高本さんは「今の年金制度は、夫が稼ぎ妻を養う前提で作られている。非正規雇用などで賃金が低い共働き夫婦は想定されていない。相談を受けていると、そういうケースはまだ少ないが、いずれ出てくる。今から考えておくべき問題です」と話している。