『昭和天皇七つの謎』加藤康男著(ワック・1600円+税)【拡大】
皇室が危うくなったもう一つのドラマは戦後のキリスト教への改宗の危機である。宮内庁長官、幹部、侍従職、女官まで含め、皇室とその主だった周辺はクリスチャンだった。天皇はもとより皇后や各宮家も聖書研究会を催し、キリスト教に感化された。「マッカーサーの戦略」は着々と進んでいた。
共産主義とキリスト教は根が一つで、民族信仰の独自性を大切にする皇室の伝統とは相いれない。著者は通説を疑い、批判し、そこから先は言えないぎりぎりまで推理し、誰も書かなかった歴史の闇を切り拓(ひら)くことに成功した。(ワック・1600円+税)
評・西尾幹二(評論家)