首都圏で多くの人に愛されている「コロッケそば」。汁そばにコロッケが乗ったちょっと変わった一品だが、関西ではなじみが薄く、その存在すら知らない人が多い。そんな中、大阪の玄関口・JR大阪駅前で、昭和44年の創業当時からこのメニューを提供し続けている立ち食いそば・うどんの店がある。首都圏では、昭和50年代以降、小田急電鉄の駅で店舗展開する「箱根そば」のコロッケそばによって広まったとされるが、記録が残されていない。くしくも使われるコロッケは両方ともカレー味。「一番古いのは大阪ではないか」。B級グルメに詳しい専門家からはそんな声も出ている。(張英壽)
「生まれて初めて聞いた」
コロッケそばは首都圏の立ち食いそば店では、一般的なメニューだが、大阪・ミナミの南海なんば駅前で、人々に尋ねると、「聞いたことがない」「生まれて初めて聞いた」「食べたことがない」という答えがほとんどだった。「聞いたことがある」とした人も実際には食べていなかった。
大阪府泉大津市の専門学校の男性(21)も「初めて聞いた」といい、「天ぷらそばは食べるけど、コロッケを入れるというのは抵抗がある。コロッケはソースをかけて食べるのが一番」と話す。大阪市北区の女性会社員(27)は「うどんやそばに天ぷらは合うけど、コロッケは合わない。コロッケはごはんと食べる」と断言した。