社会学者 鈴木涼美氏【拡大】
【鈴木】たとえばいろんなテーブルに「あの子がいると盛り上がるからちょっと呼んでよ」って言われるんだけど、お客さんの本命が別のコだと、本指名じゃないから稼げないんです。
【田原】ちょっとお聞きしたいんだけど、稼ぎたいなら売春したほうがきっと儲かりますよね。実際、当時は援助交際が流行して社会問題化していた。でも、キャバクラで働いているコたちはプライドがあって、売春とは一線を画したいのかな。
【鈴木】どうかなあ。少なくても私は区別しているつもりはなかったです。実際、枕営業もしてたし、それが売春かどうかって微妙じゃないですか。ただ、一般的に売春となると、何かトラブルがあったときに守ってもらえないリスクがあります。それに、売春が本当に悪いことかどうかは置いといて、法律で禁止されていることをやるのはいろいろと面倒だという気持ちもありました。そう考えると、キャバクラと売春をとくに区別はしないけど、あえて売春で食べていこうとは思わなかったですね。
【田原】なるほど。ところで、キャバクラがおもしろかったなら、どうしてそっちに専念しなかったのですか。大学に通ってても仕方がない。