異色の地方公務員の奮闘ぶりを描く「県庁そろそろクビですか?:『はみ出し公務員』の挑戦」(円城寺雄介著、小学館新書http://www.shogakukan.co.jp/books/09825257)【拡大】
しかし、そうした雑音やプレッシャに屈するどころか、それを糧にさらなる“はみだしぶり”を発揮する“スーパー公務員”として知られる異色の存在なのだ。
本著は、そんな彼が自らの言葉で自らの挑戦の日々を綴った奮闘記なのだが、いきなり冒頭から、彼が「現場主義」を重視し過ぎるあまり、佐賀県庁の医務課に異動になって数日後の2010年4月、「いわゆる“救急医療患者のたらい回し”問題など何が実際の課題なのかを知るため」との思いから、救急車に乗せてほしいと頼み込み「なんば考えとっとね、君は! バカじゃなかね!」と呆れられる逸話からスタート。読み手の意表を突く。
その後も、入庁式で「唐津土木事務所 用地課勤務を命じる」との辞令を受け取って以来「わけもわからないまま用地買収の最前線に放り出されることになった」彼が“デビュー戦”でいきなり地権者からけんもほろろに扱われるという手痛い敗北を経験。