異色の地方公務員の奮闘ぶりを描く「県庁そろそろクビですか?:『はみ出し公務員』の挑戦」(円城寺雄介著、小学館新書http://www.shogakukan.co.jp/books/09825257)【拡大】
入庁4年目で初の異動を経験し「県の農林水産商工本部(当時)に属する」という「本庁の生産者支援課」に配属された際も、農林水産業に携わる人たちの共済や金融などの指導検査を行う部署を任され「ドラマ『半沢直樹』で、片岡愛之助さん演じる金融庁の検査官」の仕事の「農協版、漁協版」という仕事で、銀行員もびっくりの金融専門用語と格闘する日々。
そして入庁7年目には、同僚や先輩が「カブトムシを獲るくらいしか仕事がない」「毎日、17時に帰れてよかにゃ」と白い目で見る「職員研修所」に配属されるも、ここで教わった「小さなことから始める勇気」「始めたことを大河にする根気」という言葉で自身を鼓舞し、やりがいを見いだす。
そして2010年4月、「県庁内でも誰もが行きたがらないワースト部署の上位に入る」という健康福祉本部の医務課に。膨大な仕事量に押しつぶされそうになりながらも、前述したように、救急車でけが人らを搬送する時間を短縮することに全国で初めて成功したほか、医師と協力してのドクターヘリの導入など、著しい成果を上げることに成功し、全国の自治体の注目を一身に浴びた。