
羽田空港国際線ターミナルに設置されたジカ熱への注意を呼びかける電子看板=東京都大田区【拡大】
デング熱も、シンガポールやベトナム、タイなどアジアで患者が増加。今年は6月26日までの海外感染者が153人に上り、すでに昨年同時期(110人)を上回っている。
ジカ熱やデング熱は2~12日の潜伏期間を経て発症する。主な症状は、ジカ熱は、発疹▽結膜炎▽頭痛▽倦怠(けんたい)感▽発熱、デング熱は、突然の高熱▽頭痛▽関節痛-などだ。厚生労働省東京検疫所検疫衛生課の永井周子さんは「どちらも多くの場合、症状が軽く、1週間ほどで治る。全く症状の出ない人も半数以上いる」と指摘する。
ただし、デング熱はごく一部の人が重症化し、死亡することもある。また、ジカ熱は、感染した母親が小頭症の子供を産んだり、手足のまひを起こすギラン・バレー症候群を発症したりすることもある。小頭症リスクの高さから、厚労省は妊婦や妊娠予定の女性に対し、ジカ熱流行地への渡航を控えるよう勧めている。