ほそぼそとであれば息は長い
他業種はどうか。飲食店は粗利率70%前後が理想だといわれるが、実際はロスも含め、60%あればいいところだろう。粉もので原価率が低いとされるラーメン屋が粗利率70%前後といわれ、スナックはそれに匹敵する。
注目すべきはその先の利益率だ。いくら粗利率が高めのラーメン屋でも、1人の客の単価は千円前後。それでスナックと同じように1日5人の客で週5日営業したとすると、1カ月の売り上げは10万円前後。それで果たして家賃や人件費をまかなえるだろうか。他の飲食店も利益率でみると20%~30%が理想といわれるが、実際は10%を切っている店は少なくない。
しかしスナックは基本、ママひとりでも営業でき(場合によってはセルフサービス状態)、月の売り上げ50万円に対し、家賃10万円(売り上げに対し20%)としても、人件費がかからなければ利益率は50%前後となる。概算であれ、この利益率は脅威的だ(ただし、スナックの客層は地縁者の常連か、なじみの客が多く、新規客は広告を使っても期待できないという欠点もある)。ようはスナックは、売上高はそこまでなくとも、ほそぼそとであれば息の長い業態だといえる。
スナックで「社会貢献」
そして、もう一つ注目すべきなのは、スナックの存在が地域の人々のつながりに貢献しているという点だ。スナックが近年企業経営で注目される、自らの事業活動を通じて社会の抱える課題を解決する「社会貢献的経営」そのものである--と言うといい過ぎだろうか。