「今日はありがとうございました」はNG 外国人上司への失礼を避ける話し方 (5/9ページ)

 日本人向けに、英語のほかにカタカナでも名前が書かれた名刺を持っている場合もあるが、そのカタカナ表記が本人が望んだ発音になっているとは限らない。日本人は発音しにくいとつい日本語風にローマ字読みをしてしまいがちだが、名前の場合は避けたほうがいい。本人に直接名前の発音を聞き、できるだけ本人の発音に近づけて呼ぶことを心掛けよう。

 「名前は、なるべく本人が慣れている本国での発音で呼んであげたほうが、本人はうれしいです。私もかつて、名刺に書かれた名前と、本人が自己紹介で話した名前が一致していないケースを経験しています。『本当は違うんだが、みんなそう呼ぶんだ』とその方は大変気にされていました。確かに日本人には発音しにくい名前だったのですが、私は意識して正しい発音を心がけていました。すると、私が名前を呼ぶとパッと顔が明るくなるんです。その方とは仕事上よくぶつかる立場でしたが、普段はとても気に掛けてもらえましたよ。

 自分の身に置き換えたらわかりますよね。自分の名前をずっと間違って呼ばれ続けたら、誰だっていい気持ちはしません。ビジネス英語に限らず、人間対人間の付き合いとして大事なことです」(河野氏)

 ちなみに呼びかけるときの敬称は、「スミスさん」など、さんづけでいい。「日本では相手の名前に『さん』を付けて呼ぶ」という習慣は、ビジネスで日本にやってくる人たちにはよく知られているためだ。ファーストネームで呼ぶか名字で呼ぶかは社風によるそうだ。

日本人にもう一つの盲点