【産経女子特区】産後の女性社員が恐れるマミートラック 出口はどこに? (4/6ページ)

産後の女性社員が恐れるマミートラック出口はどこに?
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  • マミートラックに入らないよう、出産後の働き方を考える尾下知央さん(右)と夫の俊介さん
  • 特定社会保険労務士の新田香織さん
  • 育休後コンサルタント山口理栄さん

 「実は裁量労働にしても、労働時間は時短のときとあまり変わらない。時短でも、必要な残業はしていたので。ただ、周囲の期待値も上がり、働き方が一変した」

 心掛けたのは、上司に成果を出してもらうこと。そのために、チームで目標を達成するにはどうしたらいいか-を徹底的に考え、やりとりする。結果、自分からさまざまな提案ができるようになった。

 「信頼されて、仕事を任されるのは、気分がいい。タフな毎日だけど、何とか働き続けています」

マミートラックを予防! 復職見据え「昇進後に出産」 

 マミートラックを防ごうという動きもある。若年人口が減少するなか、妊娠、出産を経ても意欲的に働き続けてもらうため、企業も対策を立てている。女性社員が9割を占める日本生命では、育休前、育休中、復職後に、働き方を考える3度のセミナーを開催している。昨年からは平日から土曜に開催日を変更し、夫婦で参加できるよう工夫した。10月28日に東京・丸の内で開かれた育休者向けセミナーに参加した尾下知央(ちひろ)さん(28)は、来年4月に復職予定。「マミートラックに入るのはつらい。思うような働きができなくなるのが不安で、いつ出産するかも、よく考えた」と話す。

 5年前、幹部候補生である総合職として入社。営業支援などでキャリアを重ね、課長補佐に昇進直後に産休に入った。夫は同期入社の俊介さん(28)。全社的な働き方改革によりノー残業デーなどが徹底されたことで、平日の夜も夫婦で育児を担う。俊介さんも「ばりばり働きたいが仕事だけでは、いい人生とはいえない」と協力的だ。知央さんは「復職後はできるだけ早く通常勤務に戻り、認められる仕事がしたい」と、子育てと同時に仕事でも夫婦でさらなるステップアップを目指す。

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