専門医に聞くアルコールの科学(後編) 酒に弱い人の無理飲みはがんリスクが上昇 (5/6ページ)

 酒に強い人は、基本的にはアセトアルデヒドを分解するALDH2の働きが強いんですが、酒量が多すぎると分解が間に合わなくなる。その結果、アセトアルデヒドの血中濃度が上がって、体にたまっていくんです。アセトアルデヒドは人体に有害ですから、アルコール依存症やがん、肝炎、肝硬変、膵炎(すいえん)などの病気になる確率が高まります。

 少しずつ作られるアルコールへの「依存」

 --まわりには「毎晩飲んでいる」という人もいます。日中は普通に仕事をしているのですが、こうした人はアルコール依存症なのでしょうか。

 アルコールへの依存は、少しずつ作られていくんです。1杯でじゅうぶんだったのが2杯、3杯と、量に満足できなくなって、ないと欲しくなる。飲酒が習慣になっていて、夜になるとなんとなく飲みたくなって、毎日飲み過ぎてしまう人は注意したほうがいいですね。

 --そういう人は、どうしたらいいんでしょうか。

 まずは、自分がどのくらい飲んでいるかを把握することです。毎日飲んだ量を書きとめるようにするだけでも違います。最近は「減酒外来」といって、飲み過ぎる人の酒量を減らす外来もやっています。完全な依存症で断酒が必要というほどではないけれど、健康に問題が出てきた人などの指導ですね。患者さんには自分の飲酒量をまず把握してもらい、それから目標を定めて酒量を減らしていく指導をします。

 また、近々、アルコール依存症の人のための治療薬も発売されそうです。脳に働きかけて酒を飲みたいという欲求を抑える薬で、治験では効果があったようです。

まずは一週間の平均酒量の確認を