専門医に聞くアルコールの科学(後編) 酒に弱い人の無理飲みはがんリスクが上昇 (6/6ページ)

 まずは一週間の平均酒量の確認を

 --どうしても飲みたいなら、「高いけれどいい酒」を少量飲む、というのもよさそうですね。

 アルコール依存症の人は、「酒の味が好きで飲む」とよく言います。でもよく話を聞くと、味わうというより体にアルコールを入れて酔いたいという人が多いですね。もし量を減らせるのであれば、高くていい酒を味わって飲む、というのもいいかもしれません。

写真=iStock.com/RyersonClark(PRESIDENT Onlineより)

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 アルコール依存症の患者さんには、定年後にやることがなくなって酒を飲み始める男性が圧倒的に多いのですが、最近は鬱(うつ)を併発している若いビジネスパーソンも多いです。気分が落ち込むために酒を飲んでしまうこともあれば、アルコール自体が脳に作用する一種の薬物として、鬱を引き起こしたり、鬱状態の改善を遅らせたりすることもあります。そうするとまた落ち込みを紛らわせるために酒を飲んで、という悪循環に陥りがちです。

 酒に弱い人は、依存症になるほどにはそもそも飲めません。一方、酒に強くてつい飲み過ぎてしまうと感じている人は、アルコール依存症になる前に、自分の1週間の平均酒量を確認するよう心がけてほしいですね。

 木村 充(きむら・みつる)

 医学博士。専門はアルコール依存症などのアディクション医学。国立病院機構久里浜医療センター精神科診療部長として、アルコール依存症病棟を担当している。

 (干川 美奈子 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)