「友情、努力、勝利」は本当か? 中年男子が少年ジャンプから本当に学んだこととは (3/5ページ)

6月まで開かれていた「週刊少年ジャンプ展VOL.2」の会場の様子=東京・六本木
6月まで開かれていた「週刊少年ジャンプ展VOL.2」の会場の様子=東京・六本木【拡大】

 他の人気漫画(と言われるもの)については、あまり熱くなれなかった。『キャッツアイ』や『CITY HUNTER』はエロい描写なんかもあってドキドキしたのだが、ストーリーを理解できなかった。『ドラゴンボール』に至っては、初期のレッドリボン軍との戦いあたりは夢中になって読んでいたが、敵キャラのピッコロ大魔王が出てきたあたりからさめてしまった。

 『SLAM DUNK』は、主人公がヤンキー風の髪型だった頃しか読んでいない。『魁!!男塾』も初期のシゴキ漫画だった頃は好きだったが。人生の楽しみを捨てていると言われるが、なんとでも言ってほしい。

 とはいえ、あとになってハマった漫画もある。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズなどがそうだ。40代になってから文庫本ボックスを大人買いした。

 『デスノート』などはリアルタイムではないが、30代になってからハマり、やはり全巻買ってしまった。会社で探偵Lのマネをして、角砂糖をコーヒーにいっぱい入れたら、みんなひいていたが。

 何が言いたいかというと、『週刊少年ジャンプ』については、ついつい熱く語りたくなるが、実はすべてが共通の体験かというとそうでもないということだ。それぞれハマった時期やハマり方は違うのだ。

◆むしろ学んだのは「理不尽さ」

 いつの間にか記憶が更新されてしまうというのは中年のよくある問題だ。そう、あたかも「中年は誰でもジャンプにハマった」かのように思ってしまうのだ。

 同様に気をつけたいのは、私たちはジャンプから何を学んだのかという問題である。よく、ジャンプといえば「友情、努力、勝利」だと言われる。たしかに、前出の漫画でも敵と仲良くなり、努力し、勝利するというパターンはよくある。もちろん、それは否定しない。

「強制終了」に「強制続行」まで…