「学習力」で新時代のキャリアアップを! 経営者JP・井上代表に聞く (1/5ページ)

 SankeiBizは28日、サイトをリニューアルしました。「仕事・キャリア」「自分磨き」をテーマにビジネスパーソンらを応援していきます。サイト刷新を記念し、昨秋スタートした人気連載【社長を目指す方程式】の筆者で経営幹部層に特化した人材紹介・コンサルティングサービス会社「経営者JP」代表の井上和幸さんに編集部が特別インタビューを行いました。「ポスト平成」の新時代に向けて、ビジネスパーソンのキャリアアップや働き方改革について、たっぷりとうかがいました。(SankeiBiz編集長 柿内公輔)

東京・丸の内、大手町地区(本社チャーターヘリから)

東京・丸の内、大手町地区(本社チャーターヘリから)

――今年は間もなく元号が変わり、翌年には東京五輪も控え、日本全体が新時代到来のムードに包まれています。仕事・キャリアや人材サービスではどんな潮流を予想しますか

 「別に元号が変わったからといって昨日と今日でがらっと何かが変わるわけではありませんが、こうした大きな節目というものは結構大事だと思います。“予兆”がここのところかなりあると思うんですね。AI(人工知能)とか、自動運転とか、無人化とか。他の産業でもいろんな構造変化が起きていると思いますし。ビジネスのスタイルでもたとえば売り切り型が(継続的な課金の)サブスクリプション型になっていったり、こうした変化が全業種で起こっていると思う。人材ビジネスに携わっている者としては採用においても象徴的なことが多く起きると感じています。例えば幹部、中堅世代を含めたミドルを採用しようというときに、『経験重視』ってよく言いますよね。当然経験は今後も大事なのですけれども、この変革の時代に、これからで言いますと経験の仇(あだ)のほうが大きいと思うんです。採用側の経営者や人事の方はこれまでの成功体験を経歴から見て評価・期待されますが、でも、これからの時代、その成功体験をそのままやったら逆に失敗するんじゃないかと」

 「僕は昔、ファーストリテイリングさん(以降、FRさん)の新卒採用のお手伝いを2000年から4年ほどさせていただいていました。当時FRさんはフリースブームの後、いろんなチャレンジをされてグローバルのほうにも出始めた頃で。そんな当時に、柳井正会長兼社長がおっしゃっていたことが印象深く、いまでも強く記憶に残っています。それは、『アパレル業界出身者は要らない』と。MD(マーチャンダイジング=商品政策)などの専門職はもちろん必要なんですけど、当時のFRさんからみて格上でもあった伝統的なアパレル大手の多くはもう伸びていなくて、次の時代への対応ができていなかった。『そういうところの人が入ってきて昔のやり方をされても困る。だから全然違う業界、逆に伸びている産業とか、次の時代をつくるような人がほしいんだ』とおっしゃっていて。すごくその通りだと思ったんですね」

産業構造やニーズの変化も見逃せない