島津さんは目が不自由なため、自宅以外では移動も難しい。10月19日の大雨で避難勧告が出た際には、島内にある長女の奈恵(なえ)さん(50)の勤務先に身を寄せたが、転倒して左手にけがを負った。今も白い包帯が巻かれたままになっている。
妻の孝子さん(79)は島内の施設に残る。奈恵さんも「他人に世話を押しつけるようで葛藤したけど、お世話になることにした」との思いを抱く。
「これしかなかった」
島南部の差木地(さしきじ)地区に住む男性(62)と妻(62)も島外に避難するかどうか迷い続けた。男性はてんかんの持病を抱えている。22日にケースワーカーから意向を尋ねられた際は自宅に残ろうと思ったという。だが、避難勧告が出た19日の大雨と強風が頭をよぎり、避難へと心が傾いた。
男性は「台風で都心から医師派遣もなくなっている状況では避難するしかない」と話す。妻も「台風で道路が分断された際に発作が起きたらと考えると、これしか選択はなかった」と決断の理由を語った。