大島町消防団元町分団には自身が被災者となりながら、捜索活動に参加する団員が多い。市村さんも自宅や経営する民宿が土砂まみれになり、住めなくなった。さらに台風27号の接近が予想されるため、妻子と母は(10月)17日に島外へ自主避難した。土石流では、おじが行方不明となり、近所の知り合いも亡くなった。妻からは「できれば一緒に避難してほしい」と言われたが、島内に1人残って捜索活動に加わる道を選んだ。
「家族が島内に残ったら逆に心配。1人の方が少しは気が楽になる」
自宅の片付けもままならず、寝泊まりしている町役場の避難所や分団の施設と被災地域を往復する日々が続く。「家族に会えないのはさびしいが、同じ境遇の団員もいる」と自らを励ます。被災していない団員たちも、仕事より捜索活動を優先しているという。
避難勧告や新たな土砂災害も懸念される台風27号の接近まで残された時間は少ない。急ピッチで手つかずの土地を捜索するが、無残な姿となった地元を見て今後のことが頭をかすめる。
「1年後の大島がどうなっているのか、想像がつかない」