阪急阪神ホテルズ系列のレストランなどで、メニューと異なる食材が使われていた問題。満を持して行ったはずの阪急阪神の社長会見も説得力を欠き、事態収拾の兆しが見えてこない。安価なバナメイエビをシバエビとして提供しながら「偽装ではなく誤表示」と強調する姿勢は、少なくとも消費者感覚とはかけ離れている。ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪市北区)でも同様の虚偽表示が発覚するなど、問題はほかのホテルにも波及しているが、メニュー表記には厳格な法規制がないのが現状だ。
「船場吉兆」との違い
産地偽装をめぐっては不正競争防止法に罰則規定がある。みそ漬けの牛肉産地を偽った料亭「船場吉兆」も、中国産ウナギを国産とした水産物販売会社「魚秀」も不正競争防止法違反罪で関係者に刑事罰が科されている。
今回、阪急阪神が問題を公表した47品目のうち、こうした産地偽装などで不正競争防止法に抵触する可能性があるのは25品目。代表的なのは「霧島ポーク」「沖縄まーさん豚」「九条ねぎ」「信州そば」と表示しながら他県産のものを使用していたケースだ。