九回、大差での上原起用は、チームの勝利に対する姿勢であると同時に、厳しいマウンドを1年間守ってきた右腕に対する、最大限の敬意の表れだった。今年はレギュラーシーズン、ポストシーズンで計4度、胴上げ投手になった上原は、「まさかこの自分が名門チームのクローザー(抑え投手)になるとは思っていなかった。今年だけで4度できたので、すごいいい1年だった」と振り返った。
38歳。だれもが上原の盛りはすでに過ぎたと思っていた。しかし、大リーグ5年目の今年、往年の球威と切れが戻り、巨人時代の全盛期のマウンドでのしぐさまで復活した。まさに奇跡、野球ファンを驚嘆させた。復活の背景には、先発への未練を捨て、クローザーという新たな身の置き場を得たことがあった。
ロイヤルズで投手コーチの経験もある大リーグ解説者の高橋直樹氏(68)は「上原はもともと肩の準備が早い投手。常に全力投球するプレースタイルも抑えに合っていた」と話す。