1903年以来、109回(途中2回中止)の歴史を誇る米大リーグのワールドシリーズ。野球人のすべてが夢見る「世界一」を決めるこの栄光の舞台で、今年、最後にマウンドに立っていたのは上原浩治投手(38)だった。ワールドシリーズ第6戦は10月30日、ボストンで行われ、上原のボストン・レッドソックス(ア・リーグ)がセントルイス・カージナルス(ナ・リーグ)を6-1で破り、4勝2敗として6年ぶり8度目の優勝を果たした。上原は5点リードの九回に登板し、三者凡退、最後を三振で締めくくった。「もう、うれしい以外ない。長かった」。上原は充実感を漂わせ、喜びをかみしめた。
新たな場で復活
勝利が決まると、上原は右手を突き上げて捕手と抱き合い、そこに歓喜の輪ができた。「今は脱力感しかない。早く休みたい。本当に1年頑張ったと自分で言える」と喜びを語る上原の瞳からは、大粒の涙がとめどなく流れ出た。