【食を楽しむ】
「ねぎま」といえば今は焼き鳥を真っ先に思い浮かべるはず。でも、本当はネギとマグロを使った鍋のこと。江戸時代から愛されてきた粋な味覚を楽しめる店が東京・三田にある。
聖坂(ひじりざか)の下にたたずむ小さな割烹料理店「三味(みあじ)」。白壁に木戸という渋い店構えだ。慶応義塾大学のお膝元という学生街にありながら、40年以上にわたって、丁寧に仕込まれた料理で大人の舌をうならせてきた。
こちらの看板料理こそが、「ねぎま鍋」(1人前2100円、注文は2人前から)。毎年10月~4月までの冬季限定メニューとなる。「冬のネギは甘くてトロリとしている。夏のものではどうしても硬く、甘味が少ないのでこの味は出せません。夏は何を出してるんだって、お客さまによく聞かれるんですけれど…」と笑うのは、店主の三橋(みつはし)雅喜さん(45)。日本料理での修業を経て、17年前に父親が作った店を継いだ。