自慢のねぎま鍋だが、具材はネギ、マグロ、シイタケ、豆腐、だしもカツオ節としょうゆが中心と、至ってシンプル。「シンプルな方がマグロの味が引き立ちますから」。味の決め手となるマグロだが、もともと先代はすし店を手掛けていたというだけあって、質のよさには自信がある。使用するのは頭肉など脂ののったトロ。頭肉は1匹に2本しかとれない貴重な部位を使っているという。「マグロ屋さんとの長年の信頼関係があるからこそ、手に入れられるのです」と三橋さん。
思わず飲み干す絶品スープ
赤く輝くトロを、丁寧に引いただしでさっと厨房で煮込み、あらかた火の通った状態で客にサーブする。ぐつぐつ、ほかほか。湯気に包まれたお鍋に早速箸をのばそうとすると、注意事項があるという。「最後に雑炊をする場合は、スープを全部飲んでしまわないでくださいね」
一口すすって、その言葉の意味が分かった。ネギの甘さとマグロの上質な脂が溶け出したスープは、まさに絶品。あっさりとしながらもコクがあり、思わずうなるおいしさだ。いくらでも飲んでしまいそうになる。