例えば、クワ科の植物であるレオパードウッドは、その名の通りヒョウ柄のように浮き上がった木目が美しいお箸。別名スネークウッドとも呼ばれている。「木のダイヤモンド」と呼ばれる世界最高峰の銘木材で、比重が重く、水中に入れると重くて浮き上がってこないほどだという。
「一度だけ使われる割りばしは、華やかな香りを持つスギなどの針葉樹が好まれるのですが、毎日使う箸に向いているのは香りのない広葉樹の堅い素材なんです。中には専用のやすりをかけて削らねばならない木材もあるんですよ」と北村さんは笑う。
一膳ずつ、丁寧な塗り
毎日使うものだけに、箸の表面を保護する塗料にも気を使う。安価な塗りばしは塗料で軟らかい木を堅く固めているものが多いそうだが、この工房では1枚の木材を削り、箸づくりに向く中心部のみを使用し、残った端材は箸置きや箸箱へと余す所なく活用する。