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まろやかビーフのうまみと濃密ソース 東京・浅草 「シチューの店 フジキッチン」 (1/4ページ)

2013.12.12 14:25

お皿の真ん中には堂々の牛バラ肉。つやつや輝くソースをかけて。名物料理ビーフシチューは著名人の舌もうならせる。

お皿の真ん中には堂々の牛バラ肉。つやつや輝くソースをかけて。名物料理ビーフシチューは著名人の舌もうならせる。【拡大】

  • 東京・浅草「シチューの店_フジキッチン」三代目の上原章さん(左)と、満江さん=2013年12月2日、東京都台東区(津川綾子撮影)

 【食を楽しむ】

 温かく、おなかがいっぱいになるビーフシチューは、冬のごちそうの定番。ほかほかのひと皿を求め、東京・浅草の「シチューの店 フジキッチン」へ。

 浅草寺詣での人々でにぎわう仲見世商店街から、ひとすじ脇道に入る。店のカウンターの奥にあるこぢんまりした厨房で、シェフ、上原章さん(77)が、糊の利いたコックコート姿で忙しく働いていた。

 初代店主が浅草にフジキッチンの看板を構えたのは戦前のこと。上原さんは3代目で、仲見世商店街のそばに店を移して43年目になる。

 「第二次大戦後の焼け野原の中、初代が、これからは洋食の時代だ、って言ってね」。試行錯誤で生まれた洋食の味わいは、たちまち浅草界隈の旦那に人気に。浅草をこよなく愛した作家、永井荷風も常客だったようだ。永井の日記「断腸亭日乗」にも「フジキチン」の名が出てくるという。世代が変わった今も、俳優、野球選手、ミュージシャン…著名人がシチューを食べにフジキッチンに通う。看板通り、タンシチュー(3000円)とビーフシチュー(2700円)がおすすめメニュー。牛バラ肉を使ったビーフシチューを注文した。

94歳男性「ここのシチューなら食べられる」

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