政府与党政策懇談会に臨む安倍晋三(しんぞう)首相(右から3人目)=2013年12月21日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】
14年度の消費者物価の上昇率は3.2%、消費税増税の影響を除くと1.2%と試算した。完全失業率は13年度が3.9%で、14年度は3.7%に改善するとの予測も示した。
だが、こうした政府のシナリオは、民間エコノミスト41人の平均予測である実質0.8%、名目2.3%とは相当な隔たりがある。野村証券の木下智夫チーフエコノミストは「4~6月期の落ち込みと増税によって実質所得が減るため、個人消費は弱くなる」と政府の見通しを厳しく評価している。
実際、景気を下支えする財政出動や日銀による金融緩和には限界がある。「100兆円予算」による財政出動は、来年4月の消費税増税後の需要落ち込みを和らげはするが、高成長を達成するため公共工事や補助金に頼れば、財政が一段と悪化する懸念もあり、成長を牽引(けんいん)し続けることは難しい。
安倍政権が頼ってきた日銀の金融緩和にも手詰まり感が強い。これ以上の国債購入は財政赤字の穴埋めとの疑念を招きかねず、米国が緩和縮小へ転じる中では、さらなる緩和に踏みだしにくくなっている事情もある。