ホドルコフスキー氏によれば、大統領への恩赦嘆願で罪の認否は問題とされなかった。また、釈放については、ドイツのアンゲラ・メルケル政権の後押しも受けたハンス・ディートリッヒ・ゲンシャー元外相(86)が、約1年半前からロシアに働きかけていたという。
専横・汚職で経済停滞
ホドルコフスキー氏はソ連崩壊後の1990年代、国家資産の民営化に乗じて富を築いた「オリガルヒ(新興寡占資本家)」の代表格。金融業で得た資金を元手にユコスを獲得し、欧米の技術を積極的に導入して国内最大手に育てた。拘束後、ユコス資産の大部分は国営ロスネフチの手に渡っており、事件は経済の面でもプーチン政権が国家統制を推し進める分水嶺(ぶんすいれい)になったとされている。
ロシアでは10年前の事件を契機にシロビキ(治安・特務機関の出身者など武闘派)が力を持つ「開発独裁型」の体制が確立し、プーチン氏の前回大統領時代にあたる2000~08年春まで国内総生産(GDP)が年平均で約7%の伸びを見せた。