崔氏が昨年、金第1書記の視察に同行した回数は150を超え、側近の中でも突出していた。張派への「軍の不満」と「組織指導部の恨み」を金第1書記に進言できる立場にいたわけだ。
金主席時代から政敵の粛清などで中心的役割を担ったのは国家安全保衛部だった。張氏はこれまで保衛部幹部らの失脚にも関わったとみられており、張氏への反発は部内で根強かった。結局、崔氏と旧知の間柄でもある金元弘(ウォンホン)部長は張派排除に同調し、党・軍・秘密警察の“3者連合”が成った。皮肉にも、金元弘氏と崔氏の地位を引き上げたのは張氏本人だったという。
張氏は拘束前、金第1書記と直接会って弁明する機会を求めたが、阻まれたとも伝えられている。(桜井紀雄/SANKEI EXPRESS)