基本特許は各国に出願済みで、すでに日本、米国、中国、シンガポールで権利を取得し、臨床試験などを経て18年の実用化を目指している。
腎臓機能が低下する「慢性腎不全」となった患者は血液を透析機に送り、体外で血中の老廃物や毒素などを除く人工透析治療が必要だが、1分間に200ミリリットル以上のペースで大量の血液を透析機に供給(脱血)するため、樹脂製の人工血管の移植を迫られるケースが多い。
しかし、樹脂製の人工血管は、体内で菌の感染を拡大させる恐れがあるのが課題だった。患者本人の細胞からできた人工血管は自己免疫が働きやすく、抗感染性に優れるとされる。
患者の皮膚細胞使用
中山教授らの研究チームは、患者本人の皮膚細胞などを材料に、3Dプリンターで血管を作製する研究に着手。血管の立体組織を形状を崩さずに作るため、生け花の剣山のように金属製の針(太さ約0.1ミリ、長さ約10ミリ)が無数に並んだ装置が内蔵された特殊な3Dプリンターを開発した。