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【タイガ-生命の森へ-】豊かな川 朝ご飯がすぐ釣れた (2/4ページ)

2014.1.6 15:00

初雪の朝、狩小屋の前でハリウスを釣る猟師アンドリューシャ。猫も釣果を待っている=2013年10月4日、ロシア・クラスヌィ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)

初雪の朝、狩小屋の前でハリウスを釣る猟師アンドリューシャ。猫も釣果を待っている=2013年10月4日、ロシア・クラスヌィ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)【拡大】

  • 冬を迎える前のアカシカは、タイガの猟師にとって最高のごちそうである=2013年10月3日、ロシア・クラスヌィ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • アカシカ肉とニンニクたっぷりのスープ。体の芯から温まりこの土地と一体になる気がする=2013年10月3日、ロシア・クラスヌィ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • 虹色に輝くハリウス。サケ科の魚で和名はカワヒメマス=2013年10月4日、ロシア・クラスヌィ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • 釣ったばかりのハリウスを唐揚げにするワーニャ=2013年10月2日、ロシア・クラスヌィ・ヤール村(伊藤健次さん撮影)
  • ロシア・クラスヌイ・ヤール村、ビギン川

 ≪生きることの激しさと美しさ≫

 小屋のテラスには昨日までなかったアカシカの頭が逆さに置かれていた。昨夜ベテラン猟師のトーリャが獲ってきたのだ。

 一瞬ぎょっとするが、切り口の真っ赤な血と白い脂身のコントラストが鮮烈で、そこにカエデの黄葉が一枚、そっと張りついている。その姿はこの場にあまりに溶け込んでおり、残酷というよりむしろタイガで人や動物が生きることの激しさと哀(かな)しさ、そして美しさをひしひしと伝えてくるのだった。

 空から舞う雪が毛皮に積もり、その瞳に落ちてはとけてゆく。森のどこかで今も生きている鹿と、目の前で解体された鹿との境界が薄れていくような不思議な気がした。

 狩小屋では薪ストーブが焚(た)かれ、大鍋でアカシカのスープが煮込まれている。ニンニクをいくつも丸ごと投入し、ビーチャがジャガイモと玉ねぎを手際よく刻んで味を調える。アカシカはすでに生きものから食べものとなり、小屋はスープのいい匂いでいっぱいだ。

ビシッと冷えたウオツカが注がれ、皆で乾杯

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