海外普及の一助にも
八代市のイグサ農家、田淵稔さん(50)は、2年前に京都市の畳販売店と共同で、天然素材の溶剤を使った撥水畳の開発を始めた。イグサ産業衰退の一因は、飲食店や賃貸住宅で汚れにくい「化学繊維の畳」が増えたためと考えた田淵さんは、既にジュースやワインの汚れも拭き取れる試作の天然畳を完成させた。
選手村などで使われれば、汚れない天然畳を外国人にもアピールできる。田淵さんにとって東京五輪は「製品化の大きな目標」となった。
農家の減少に伴いメーカーが機械の部品製造を中止したため、田淵さんのイグサ植えは人を雇っての手作業だ。農家は収穫から畳表の製造まで自前で行うことが多く、設備投資の負担も大きい。
「このままではイグサ農家の将来は暗い。熊本産の撥水畳が東京五輪で使われ、夢のある話を実現したい」。田淵さんは力を込めた。(SANKEI EXPRESS)