本は、その1冊ずつに、著者・編集者・装丁者・写真家・販売部がかかわって、本文、タイトル、副題、目次、中見出し、帯文句、図版、写真、索引などという充実したコンテンツとメッセージとアイテムが、みごとなバランスとアドレスで収納されている。読書とはこれらすべてにかかわることなのだ。ジェラルド・プリンスやノースロップ・フライといった現代アメリカを代表するリーディング・フィロソファーたちは、このことを「本はつねにパラテキストを提供している」と言った。パラテキストというのは、本のコンテンツは本文だけでなく、タイトルから索引にまで及んでいて、それらは他の本とも並行的につながっているという意味だ。
諸君、今年はひとつ、自分の仕事場と自宅の本棚の大胆な改変にとりくまれるといい。きっと気分がめちゃくちゃ高揚するだろう。
【KEY BOOK】「10代の本棚」(あさのあつこ編著/岩波ジュニア新書、861円)
作家のあさのあつこは10代の少年少女に一番奨めたいことは、「本棚で世界に出会う」ことだと言う。本棚は壁ではなく、たくさんの扉がついている入口群なのだと言う。本書はそういう10代に向けて、石井睦美・川端裕人・中井貴恵・前田司朗ら13人の作家やライターが本をガイドした。それぞれ独特の出会いを綴っているが、共通するのは「好奇心」こそが読書推進するエンジンだということだ。本棚は好奇心の見本帖なのだ。