全日本選手権のエキシビション後に引退を表明した織田信成(のぶなり)選手(手前)を、高橋大輔選手(左から2人目)らライバルたちが拍手で送り出した=2013年12月24日、埼玉県さいたま市中央区・さいたまスーパーアリーナ(大里直也撮影)【拡大】
【笑顔のアスリート学】
2月7日からソチ五輪が開幕する。日本から出場する「日の丸」を背負った選手たちの躍動が楽しみだ。特に、開幕前日の6日から団体戦が行われるフィギュアスケートは、浅田真央選手(中京大)や高橋大輔選手(関大大学院)をはじめ、男女共にレベルが高く、日本代表になることすら大変な種目だ。
昨年(2013年)末にさいたま市のさいたまスーパーアリーナで行われた日本代表最終選考会を兼ねた全日本選手権に足を運んだ。フィギュアは人気も高く、会場は満員の観客で埋まっていた。しかも、選手たちの緊張感が観客席まで伝わるくらい、会場の空気は張りつめていた。私自身、その緊張感に心が震えた。
4年に一度の五輪。選手一人一人にとって、五輪は子供の頃からの夢舞台だ。そして、私自身も経験があるが、この4年に一度の瞬間に、体調とメンタルの両方をベストに合わせることはとても大変なことだ。
選手は、ロボットでも、マシンでもない。血が通い、心のある生身の人間だ。それだけに、いつもベストコンディションで実力を発揮できるわけではない。良いときもあれば、当然、悪いときもある。トップレベルへ登り詰めるほど、日々の体調の違いや感覚の違いに悩まされる。そのリズムの波長を4年に一度の五輪イヤーにピタリと合わせることは、どんな選手でも至難の業である。