英国で思いをはせる
ジェーンがどう生きたのかを知るために、堀北は稽古開始前の1月、英国を訪ね、幼少期から暮らした森の中の荘園屋敷の遺構、死を迎えたロンドン塔…とその足跡をたどった。
「ジェーンが育った屋敷の周辺は、緑があふれ、鹿がいて、とても静かな場所でした。みんなが鹿狩りに出かけても、1人で静かに大好きな書物に読みふけり、勉強もはかどるんだろうな、と想像がふくらみました。本の世界に深く理解をめぐらせながら、外の世界のことは知らないまま、急に現実に放り込まれ、とても純粋なまま、権力争いに巻き込まれてしまったんでしょうね…」と身の上に思いをはせる。ロンドン塔では、テムズ川から吹く凍えるような風の冷たさを頬に感じた。ジェーンはこの塔で、2月に処刑された。「こんな寒い中で、死ぬのが嫌だと思ったのか、どんな思いだったのか。あれから、私なりに考えているところです」