「うーん。あの少年たち。いま、どうしているかなあ」
遠い目をして回想する。三里塚をテーマにした写真で日本写真協会新人賞を受賞した。28歳だった。
行動する写真家はさらなる被写体を求めて旅をする。東北の農村。沖縄。大阪の新世界。ひなびた湯治場(とうじば)。中国。そして東日本大震災の被災地…。写真家として半世紀を生きた。
「現場に立って時代を目撃してきた。写真は時代を写す。生活を写します。写真やったおかげで、普通の人の5倍も6倍も、人生を体験できた」
最後にお願いした。写真を撮らせてください。北井さんは「いいですよ」といった。愛用のライカM5を持ち、街頭に立った。わたしはカメラのシャッターを押した。そっと。(塩塚保/SANKEI EXPRESS (動画))
■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。