「染司よしおか」の名品は、古来の染色方法に重きを置き、自然物から伝統的技法により特徴的な製法によって生み出されている。
前述の敷地内の木々も、その多くは、実際に染めの原材料となる木々だ。
品質を保つ確かな原材料の入手にかける情熱はすさまじく、自ら草木花を育て、時には栽培農家を探し出し説得することもあるという。
技術の追求と伝統
赤系、青系、緑系、黄系等々、同工房が生み出す色は、実際に目にすると、これが植物から得られた天然染料のみで染められたものであることを疑いたくなる程に多彩で、生き生きと鮮やかに美しく、不思議な深みがある。
これらの品々については、一切の化学染料を排し、近年数少なくなった伝統的な製法を守って生み出されてきたものだからこそ伝わる魅力があるのだという人もいるだろう。
しかし私は、天然染料を使うこと自体は目的ではなく手段だと感じる。同工房の職人たちは、紛れもない染色のプロフェッショナルだ。より美しい彩りを生み出したいという目的を達成するために最良の方法を日々模索し続け、その結果が全ての製作工程に反映されている。