つまり、彼らにとって、目指す染色を行うために吟味し尽くされた最良の手段が伝統的技法の追求なのであり、古(いにしえ)からの技法を磨き上げることこそが革新なのである。
職人とは、自然の持つ“魅力”を、卓越した技術により私たちの身の回りの品へと形を変え届けてくれる存在だと、私は時折感じる。
彼らの形式に捕らわれない自由な発想、自然への畏敬と愛着、古より積み重ねられた知恵が融合した結果が、現代に生ける伝統となり、私たちに魅力あふれる品々を届けてくれるのだろう。
そしてたゆまぬ日々の鍛錬がその伝統の更新と、まだ見ぬ出会いによる新しい価値をも生み出していくに違いない。(企画プロデュース会社「丸若屋」 丸若裕俊/SANKEI EXPRESS)