どうせ津波で駄目になっていると思い、墓に納めた。昨年(2013年)3月、墓の改修で取り出しふと電源を入れてみた。ほとんど傷のない液晶画面に光が差した。自分宛ての届かなかった一通のメールが残っていた。
《津波凄(すご)い》
送信の時刻は、午後3時25分。足元まで津波が迫っていたはずだ。「不安でどうしようもなかったでしょうね」。胸が詰まり、絶対に見つけてあげたいという思いを強くした。それからおよそ1年後、潜水士の国家資格を得た。
携帯電話には届かなかったメールの直前に祐子さんが送ったもう一通の記録もあった。
《大丈夫?帰りたい》
画面を見つめた目が和らいだ。「きっと帰してあげるよ」(森本充、石井那納子/SANKEI EXPRESS)