理化学研究所の研究ユニットリーダー、小保方(おぼかた)晴子さん=2014年1月28日(伊藤壽一郎撮影)【拡大】
理研の加賀屋悟広報室長は11日、文科省で記者会見し「世間をお騒がせし、誠に申し訳ない」と謝罪した。この問題で理研が公式に説明するのは初めて。論文取り下げの判断は共著者の間での協議を待つとしたが、判断が出ない場合に勧告を検討するという。
論文は、小保方氏らが英科学誌ネイチャーに発表。この論文の画像が、小保方氏の3年前の博士論文の画像と酷似するなど不自然な点があり、共著者の若山照彦・山梨大教授は「信用できなくなった」と他の著者に撤回を呼び掛けた。
≪「画期的発見」一転 揺らぐ信頼性≫
どんな細胞にもなれる「万能細胞」を簡単に作る方法を発見したとして世界を驚かせたSTAP細胞の論文が、撤回の瀬戸際に立っている。画像の使い回しなどの指摘が相次ぎ、研究を主導した小保方(おぼかた)晴子氏が所属する理化学研究所は撤回を視野に対応の検討を始めた。生物学の常識を覆す「画期的発見」の発表からわずか1カ月余り。STAP細胞の存在そのものの解明はまだ時間がかかりそうだが、論文のずさんさが研究の信頼性を大きく揺るがしている。