ロシアへの編入が決まったクリミアでは、ウクライナ軍施設などを接収する動きが活発化するとみられ、大規模衝突に発展しかねない状況にある。
プーチン大統領は、現地での住民投票を受け、セバストポリを含む「クリミア共和国」を「独立国」として承認。演説で「クリミアは歴史的、文化的にロシアの不可分の一部だ」と強調した。プーチン氏は演説後、自治共和国のセルゲイ・アクショノフ首相(41)との間で、クリミアをロシア連邦の構成体とする条約に署名。ロシア憲法裁判所は19日、同条約を合憲と判断した。今後、露上下両院での批准などを経て、併合が正式決定される。(シンフェロポリ=ウクライナ南部 内藤泰朗/SANKEI EXPRESS)
≪周辺諸国 親露派の「ドミノ」警戒≫
ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国の併合を決めた問題について、旧ソ連諸国は警戒心をもって受け止めている。多数のロシア系住民を抱えており、中央政権の統治が及ばない親露派地域も存在するためだ。クリミアと同様、ロシアが「ロシア系住民の保護」を掲げて介入したり、親露派地域がロシアへの編入を求めたりする事態を周辺諸国は恐れている。