こういう着物も似合うようになってきたことは、自分が年をとったことを認めることにもなり、同時に新しい人生のステージが始まるようなうれしさもあります。私は新しいという感覚に弱く、その着物がどうしても欲しくなって一晩うなされました。
しかし、先月リビングのリフォームをして、同じくらいの大金を払ったばかり。ぐっとがまんしました。今朝、庭の掃除をしてポストを見ると、呉服屋さんからお葉書が。あの着物をぜひご検討くださいと書かれていて、私の決心はまた、ゆらゆらと揺らいでしまいました。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)
■ひらまつ・あきこ 1970年、愛知県生まれ。広告プロダクション退社後、フリーのイラストレーターに。ファニーでエレガントなイラストで人気を集め、現在は「GLOW」でコミックエッセーを連載中。「kate spade new york」日本公式ブロガー。水墨画や日舞をたしなみ、着物を愛好する。著書に「お洒落きものイズム」(グラフィック社)など。LINEのスタンプ「ラヴ&ゴージャス」が発売中。kimonosnack.blogspot.com