初優勝を果たして横綱昇進を確実にし、優勝パレードで万歳をしながら笑顔をみせる大関鶴竜(かくりゅう、中央)。左は十両で初優勝した元小結の豊真将(ほうましょう)=2014年3月23日夜、大阪市浪速区(山田耕一撮影)【拡大】
園児に歩み寄る
太い眉に切れ長の目。ふっくらとした唇も特徴的だ。一見無表情で愛想がなさそうに映るが、心根の優しい“お相撲さん”だ。
横綱昇進に挑戦したのは今場所が初めてだった。周囲の期待を考えると、大きな重圧がかかって当たり前。でもこの人は違った。
調整に励んでいた初日の数日前。朝稽古後、見物に来た近くの幼稚園児に自ら歩み寄った。何十人もが大きな手を触ったり、太い足を触ったり。その間ずっとにこにこしていた。
相撲への思いは熱い。モンゴルにいた頃、知人の協力を借り、日本語で入門を直訴する手紙をつづり、顔写真を貼り付けて日本相撲協会と相撲雑誌の編集部に送った。まだ15歳だった。
「もし私を受け入れてくれる部屋がありましたら、その方々の期待に応えるべく頑張りたい」
願いかなって、憧れの寺尾(現錣山(しころやま)親方)がいる井筒部屋(いづつべや)に入門。夢見た角界だ。思いを込めて文字にした初心を忘れるはずがなかった。